「清明祭(シーミー)」は、18世紀中頃に中国から伝来した文化で、二十四節気の一つである清明(せいめい)の節内に行う墓前祭のことです。
沖縄の年中行事の中でも重要な、祖先供養の催しです。
清明祭では、代々の父系の血族が眠る「門中(もんちゅう)墓」に一族が集まり、重箱料理やお酒、果物、菓子、お花をお墓にお供えします。
お線香を上げ、ウチカビ(あの世のお金)を焼いて、お墓の土地の神様に対して感謝の意でお礼参りをし、ご先祖様の祖先供養を行います。
親戚が一同に集まって墓庭に敷物を敷き、お供えしたごちそうをいただく賑やかな行事です。
まるで「お墓の前でピクニック」をしているような文化は、沖縄県外では見慣れない光景で驚かれる方も多いですが、沖縄では親族の親睦の場にもなっています。
清明祭は旧暦の3月(新暦の4月5日頃)の「清明の入り」を迎えた後、2週間の間で行われます。
現在では墓地が混み合うこともあり、期間が延長されて5月のゴールデンウイーク頃までの間、週末を中心に行われています。
沖縄で4月ごろに散策する機会があれば、沖縄のお墓を注目してみてください。お墓の前でブルーシートを広げて、楽しそうにご馳走を食べている人たちに出会えるかもしれません。